チラシやポスター・パンフレットなど商業印刷物の目的とはすなわち、メッセージやイメージを送り手から受け手に「伝える」ことです。そしてそれをより深く、より広範に伝えるための大きな力となるのがデザインの力であると考えます。単なる言葉や文字のみでは複雑で困難なイメージの伝達も、時には一目でその雰囲気や世界観までも受け手に伝えてしまう・・・それがデザインの力と言えましょう。
例えば、現代はWeb上でのflash動画など、動きと音声を持った、印刷物よりも進化したと言われるメディアが登場していますが、動画メディアは受け手に「時間」を要求するという宿命から逃れることが出来ません。どんなに素晴らしいflash動画でも、それを見るために数秒から数十秒も受け手を拘束してしまう・・・しかし、デザイン化された印刷物ならば、一瞬にしてそのイメージを受け手に焼き付けることも可能です。ラスコーの洞窟壁画の時代から、静止したビジュアルによるイメージ喚起こそが進化した動物「人間」の脳にとって最も特徴的な能力だったのかもしれません。また、その特徴を意識したデザイン構成こそ印刷物のみならずwebコンテンツや動画メディアのクオリティを高める鍵となるのではないかと考えられます。
デザインの力・・・日成印刷の制作室ではその力を信じ、考え続けています。